研究課題
若手研究(B)
本研究では、東寺が所蔵する絵巻「弘法大師行状絵」の詞書について、①多くの部分が真言宗における重要文献からの抜粋記事に基づいて撰述されていること、②草稿本と比べて異同が散見されること、③先行して成立していた三系統の絵巻とも異同が多く見られることを明らかにし、これまで等閑視されてきた絵巻編纂の一連の流れを跡づけた。絵巻から派生的に版本・曼荼羅が生み出され、弘法大師伝の普及に東寺観智院が大きく貢献していた実態を跡づけた。
日本中世史