研究課題/領域番号 |
15K16845
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 新也 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (00713538)
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研究協力者 |
チャン・ヴァン・クエン フースアン大学, 講師
グエン・クアン・チュン・ティエン フエ科学大学, 史学科, 教授
グエン・ヴァン・ダン フエ科学大学, 史学科, 教授
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 近世ベトナム / 村落文書 / 小農社会 |
研究成果の概要 |
現代ベトナム社会においては、前近代に形成されたと推測される強固な地縁集団や父系親族集団は依然として生活レベルでは強い社会的影響力を持っている。本研究ではベトナム中部フエを周辺域において史資料の調査や撮影を行い、これらの社会集団が近世ベトナムにおいてどのように形成され、それにより郷村社会のありようがどのように変化したのかを検討した。そして本研究により「伝統社会」成立前のベトナムの郷村社会は東南アジア的特徴を色濃く残していたが、農業開発の進展により人口が飽和状態となるにつれて、住民の既得権益を保護すべく、儒教を媒介として閉鎖的な社会集団が発展していったことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
近世ベトナム史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、急速に発展する日越関係とは裏腹に、日本におけるベトナムを含む東南アジア理解は全く進んでおらず、無理解かつ無礼な言動を見聞きすることも珍しくない。本研究の成果をまとめた専著の刊行が、日本人のベトナム社会理解の改善の一助となれば幸いである。 また日本の前近代ベトナム史研究は高いレベルにあり、古代~16世紀頃については世界的にも最先端といいうる専門書が既に出版されている。本研究で17~18世紀を主題とする専著が出版されたことにより、日本人の研究により18世紀までの「通史」的なものが、一応は出来たことになる。残る19世紀のベトナム(阮朝)に関する最新の研究が刊行されることが望ましい。
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