金と南宋の間を往来した使節を中心としつつ、広く10~13世紀東アジアの外交使節とそれに関連する事象に関する研究を行った。ここで言う東アジアとは、契丹(遼)・金・モンゴル(元)と五代・南北両宋及びその東西の高麗・西夏に、これらの国々が外交使節を派遣した周辺勢力まで含めた範囲を大まかに指す。手法としては、既に公刊されているが従来あまり利用されてこなかった史料を「新史料」と称し、それらの史料に基づいて研究を行った。その結果、特に1160年代に金と南宋の間で結ばれた大定和議以後の金・南宋関係に関する成果を多く挙げることが出来た。
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