研究課題/領域番号 |
15K16865
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
薩摩 真介 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (70711125)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | イギリス / スペイン / 海洋紛争 / 18世紀 / 貿易 / 植民地 |
研究実績の概要 |
本年度は、本研究の初年度として、まずはオーストリア継承戦争(1740-48)に関連する二次文献を渉猟して、当該時期のイギリス政治史やヨーロッパ外交史についての背景知識を深めることに努めた。 次に、オーストリア継承戦争初期の時期のイギリスにおける海戦支持の言説に対するウォルポール政権の主要閣僚や、野党側の政治家、海軍軍人などの見解を探るために、2016年の夏に渡英して、イギリスの文書館において、一次史料(マニュスクリプト史料)の調査を行った。 渡航の時期は、2015年の8月23日から9月7日にかけてであり、その主な調査対象は、ロンドンの英国図書館(British Library)所蔵のニューカッスル文書や、ロンドン近郊のキューの英国国立公文書館(The National Archives)の海軍省文書(ADM)などである。 これらの文書館における調査の結果、研究に関連する手稿史料を閲覧、精査することができ、本研究を発展させるうえで有益と思われる情報が得られた。ニューカッスル文書は政治史では比較的よく知られている文書群ではあるが、本研究のような視角からはいまだ十分には分析されてはおらず、その点でも今回の調査は十分意義があったと思われる。 しかし、ニューカッスル文書などは、膨大な量が存在するため、いまだ調査が終わっていないものも少なからず残っており、今年度も引き続き渡英しての史料調査が必要と考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初は、オーストリア継承戦争期に続く七年戦争(1756-63)期までをも調査対象に含めることを検討していたが、調査すべき史料の量が研究期間に比して多すぎること、一年目終了時の現時点でオーストリア継承戦争期の調査が完全には終わっていないこと、またテーマをより絞る必要性があることなどを考慮して、当初の予定をやや変更して、本研究ではオーストリア継承戦争期の海戦支持の言説に焦点を絞ることを現在検討している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、まだ調査の終了していないオーストリア継承戦争期後半の史料の調査を継続する予定である。また可能であれば、本年度か来年度に、フランスの文書館やアメリカの文書館など、イギリス以外の国の文書館での調査も行っていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
節約しつつ使ったため、若干の余剰(436円)が出た。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度の文書館調査のための旅費に充てる予定である。
|