研究課題/領域番号 |
15K16865
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
薩摩 真介 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (70711125)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | イギリス / スペイン / 海洋紛争 / 18世紀 / 貿易 / 植民地 |
研究実績の概要 |
本研究の二年目である平成二十八年度は、まず昨年度に引き続き、オーストリア継承戦争期の政治史や外交史に関する二次文献を渉猟した。これに加えて、当時論じられていた海事問題や、よりのちの時代の同様の問題に関連する二次文献にも調査範囲を広げ、問題をより長期の視点から理解するための背景知識の拡大に努めた。 また、一次史料(手稿史料)の面での調査としては、2016年の9月8日から17日にかけてイギリスに赴き、ロンドンに滞在し、ロンドンの英国図書館(British Library)や、キューの国立公文書館(The National Archives)などで調査を行った。とくに昨年度から調査を始めたニューカスル文書や海軍省文書などの史料群を中心に、史料の閲覧や、デジタルカメラを用いた撮影などを行い、調査を続けた。 この調査の結果、英国図書館のニューカスル文書に関しては、当初閲覧を計画していたものの多くの調査をひとまず完了することができた。しかし、今回はのちに述べる事情でイギリスでの滞在日数が限られていたこともあって、調査予定であった史料すべてを見ることはできなかった。その分は次年度に回す予定である。 また、現在までの調査の結果を含めた研究成果を、論文などの形でまとめるべく、収集した史料の分析や編集を本格的に開始した。それらは今後徐々に論文として公表していく予定であるが、まずは、一二年以内に論文を一二本ほど刊行することを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回の調査は、本務校での学務等の関係で、移動を除いて正味一週間程度しか史料調査のための滞在に時間をとることができなかった。その結果、ニューカスル文書の調査は当初予定していたものをおおよそ終えることはできたものの、そのほかの史料については、まだ調査を十分に終えることができなかった。そのため、英国図書館では翌年度も調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初は、三年目の一次史料の調査は、フランス、アメリカなどイギリス国外の文書館での調査に充てることも計画していたが、イギリスでの史料調査が十分に終わっていないこともあり、三年目もイギリスでの調査に充てることを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
節約して使ったため、若干の余剰が出た。
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次年度使用額の使用計画 |
三年目の文書館調査に充てる予定である。
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