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2015 年度 実施状況報告書

20世紀前半南アフリカにおける「人道主義」の展開とイギリス帝国

研究課題

研究課題/領域番号 15K16866
研究機関南山大学

研究代表者

大澤 広晃  南山大学, 外国語学部, 講師 (90598781)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードイギリス / イギリス帝国 / 南アフリカ / アフリカ / 人道主義 / 帝国主義
研究実績の概要

2015年度は、1)研究動向の把握、2)イギリスでの史資料調査、3)研究成果のまとめを行った。
1)研究動向の把握:研究課題に関連する最近の文献を収集し、その批判的な読解につとめた。本研究のテーマである「人道主義」については、近年、研究成果の公刊が相次いでいる。それらをみるかぎりでは、ひとつの方向性として、地域を越えた「人道主義」の結びつき、すなわち、「人道主義」ネットワークに対する関心が高まってきていることが分かった。本研究が対象とする20世紀前半の南アフリカを考える際にも、宗主国イギリスとの関係のみならず、イギリス帝国を構成する他地域や、アメリカ合衆国との関係を考慮にいれる必要があり、こうした地域間ネットワークを視野に含めた考察を行っていくことの必要性を感じた。
2)イギリスでの史資料調査:夏期と冬期の2回、イギリスで史資料の調査を行った。具体的には、LSE図書館において婦人国際平和自由連盟イギリス支部関連文書を調査し、同団体が南アフリカを含むイギリス帝国の諸問題に対してどのような立場をとったのかを明らかにしようとした。また、国立公文書館では植民地省や自治領省の関連文書、英国図書館では「人道主義」に関連する機関誌やパンフレットを閲覧し、対象時期におけるイギリスの「人道主義者」たちの言動を理解しようとつとめた。いずれの調査においても、たいへん有益な史資料に数多く接することができた。
3)研究成果のまとめ:以上の1)、2)の作業を踏まえて、研究成果を論文にまとめた。当該論文は2016年6月に公刊されることが確定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載した通りに史資料調査を行い、その成果を論文として公表した。その反面、2015年度は、研究成果を口頭で報告して他の研究者たちからの意見や批判を仰ぐ機会をとることができなかった。今年度は、学会や研究会での発表というかたちを通じて研究成果の中間報告を行い、そこでのフィードバックを踏まえてより質の高い論文の執筆に取り組みたい。

今後の研究の推進方策

2016年度も引き続き申請書に記載した通りに研究を推進していきたい。国内では、オンラインデータベースなどを使用して、史資料の収集・分析を進めるとともに、引き続き関連文献の批判的読解につとめる。また、国外では、長期休暇期間中に南アフリカの文書館で調査を行い、現地の人々が「人道主義」にどう関わっていたのかについて考察を進める。それと同時に、2015年度および2016年度の史資料調査で得た知見をもとに口頭報告を行い、それを踏まえて研究成果を論文にまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

2015年度は、8月から9月にかけてイギリスで史資料調査を実施した。その後、同調査で収集・閲覧した史料の分析を行い、その成果を論文にまとめる作業を行おうとした。しかしながら、成果のとりまとめには、上記の出張期間中に閲覧できなかった史資料を追加で調査する必要があることが分かった。よって、前倒し支払い請求を行い2016年2月に海外で追加の史資料調査を行った。しかし、当初の想定よりも旅費が抑えられたため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度使用額は、関連文献の購入と外国旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 戦間期イギリスにおける「人道主義」と南アフリカ問題:反奴隷制および原住民保護協会の活動を中心に2016

    • 著者名/発表者名
      大澤広晃
    • 雑誌名

      『アカデミア 人文・自然科学編』

      巻: 12 ページ: 印刷中

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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