研究課題/領域番号 |
15K16869
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
平郡 達哉 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (60709145)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 朝鮮半島 / 青銅器時代 / 社会 / 複雑化 / 墳墓構造 / 出土遺物 / 副葬 |
研究実績の概要 |
本研究では墳墓・墓地構造、副葬遺物といった墓制と関連した考古資料に対する分析を通して、朝鮮半島青銅器時代社会の複雑化過程のモデルを考古学的に構築・説明することを目的とする。 4年計画の4年目にあたる平成30年度は計2回の海外・国内調査を実施した。4月に国立清州博物館・国立扶余文化財研究所、財団法人韓国文化財団にて研究関連資料の見学、5月に東京にて本研究の打ち合わせと共に東京国立博物館にて展示されている研究関連資料の見学を実施した。 本研究と関連して、これまでの調査・研究の成果を取り入れ、朝鮮半島青銅器時代墓制に関する論考(平郡達哉2019「韓半島南部地域青銅器時代の埋葬姿勢に関する覚書」『花園大学考古学論叢』Ⅲ、花園大学考古学研究室、2019年3月)と、本研究と関連する日本列島出土遺物に関する論考(平郡達哉2019「韓半島南部地域青銅器時代の埋葬姿勢に関する覚書」『花園大学考古学論叢』Ⅲ、花園大学考古学研究室、2019年3月)を発表した。 また、本研究の内容と関連した韓国人研究者の発表文を翻訳した(李東熙(訳:平郡達哉)2018「韓国との関連性からみた日本の支石墓文化の再検討」『海峡を通じた文化交流』第13回九州嶺南合同考古学大会発表要旨、2018年8月)。 以上のように、現地調査を基に持続的な情報・資料収集を行いつつ、近年の発掘調査成果についての新たなデータを補完するとともに論考および翻訳を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年2回の調査を実施することができ、関連踏査・出土遺物の調査を予定通り遂行できた。 現地調査の際に現地の研究者から得た情報を基に、近年の発掘調査成果についての新たなデータを補完し、青銅器時代墓制資料のデータ集成・入力を続けている。これを基に朝鮮半島青銅器時代墳墓遺跡一覧表と資料調査希望遺物目録を作成している。 しかし、補助事業期間中の後半の2年間に、本研究と関わる重要遺跡の発掘調査が実施され、今年度その発掘調査報告書が刊行された。本研究の分析対象として重要なデータを提供してくれるものと考え、その内容を研究報告書に反映させることで、本研究の目的である「基礎資料の集成を基にした先史社会研究」の精度を高めることができるため、補助事業期間の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
補助事業期間延長申請の計画に沿って研究の成果を研究報告書としてまとめていく。 平成31年度は、青銅器時代墓制資料のデータを資料編である『韓半島青銅器時代墓制一覧』として整理し、本研究期間に執筆した論考を再構成および加筆修正し、研究報告書として提出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究と関わる重要データが補助事業期間中の後半の2年間に発表され、その内容を研究報告書に反映させるため、補助事業期間の延長を申請した。 使用計画としては、研究報告書の製本費と発送代として使用する予定である。
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