• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

3次元計測点群の自動位置合わせおよび欠損補間システム

研究課題

研究課題/領域番号 15K16878
研究機関大阪工業大学

研究代表者

村木 祐太  大阪工業大学, 情報科学部, 助手 (60710077)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード3次元計測 / 自動位置合わせ / 欠損補間 / 青銅器 / 考古学 / 点群
研究実績の概要

平成27年度は,複数方向からの3次元計測で得られた複数の点群データを入力とし,(1)点群の自動位置合わせ,(2)位置合わせ後の点群データの欠損を自動補間,するシステムを開発した.以下に研究実績の概要を示す.
(1)複数の点群データの位置合わせ
青銅器を計測した点群データに含まれる色情報を利用することで,複数点群の位置合わせを実現した.具体的には,青銅色以外の点を対応点の候補として抽出し,複数の記述子を用いて位置合わせを実現した.実験の対象は3次元計測で得られた青銅器の点群データであり,真値との平均誤差が1.80E-3となり,非常に良い精度で位置合わせを実現することができた.本手法は,ユーザーによる手動入力を必要としないため,多数の点群を位置合わせする際に,特に効果的であると言える.今年度の成果は,日本情報考古学会第36回大会にて発表を実施した.
(2)点群データの欠損補間
点群の欠損検出で得られた点群を利用して領域を拡張させ,欠損近傍の点を抽出した.そのあとで,欠損近傍の点を利用して曲面を当てはめることで欠損領域を覆う曲面を生成し,面上点を発生させ,欠損に相当する部分に補間点を生成した.生成した曲面形状は真値との誤差が1%未満であり,良い精度で補間点を生成可能である.本手法では,欠損周囲の形状を考慮して補間点を生成するため,凹凸の激しい形状に対してより効果的な補間を行うことができる.また,非常に高速に補間が可能であるため,多数の欠損を補間する際にも有効である.今年度の成果は,FIT2015 第14回情報科学技術フォーラムおよび日本情報考古学会第36回大会にて発表を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は,当初の予定どおり複数点群の自動位置合わせ手法を開発し,青銅器を3次元計測して得られた複数の点群データに対し,非常に良好な結果を得ることができている.また,欠損の補間についても,高速かつ精度の良い補間点を生成することができている.しかしながら,当初の予定であった,点群の欠損検出に関しては,対外発表には至っていないため,平成28年度のテーマとして引き続き研究を実施する予定である.

今後の研究の推進方策

平成28年度は,(1)点群の欠損検出,(2)点群の欠損補間の精度向上にテーマを絞り研究を進めていく予定である.そのあとで,各手法を統合することで,ユーザ負担の少ないシステムを開発する予定である.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由としては,当初は,研究打ち合わせおよび研究調査を平成27年度3月に岩手で実施する予定であったが,学会発表と重なってしまい,予定が後ろ倒しとなってしまったためである.また,図書等の購入が予定より少なかったことも挙げられる.

次年度使用額の使用計画

これからの使用計画としては,研究をより効率的に実施するための物品購入,学会への参加のための旅費に使用すること,英語校正,論文投稿料として使用することなどを計画している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 曲面近似に基づく点群の自動欠損補間手法の検討2016

    • 著者名/発表者名
      村木祐太,西尾孝治,金谷 孝之,小堀研一
    • 学会等名
      日本情報考古学会第36回大会
    • 発表場所
      九州国立博物館
    • 年月日
      2016-03-26
  • [学会発表] 青銅器のための点群データの自動位置合わせに関する一手法2016

    • 著者名/発表者名
      村木祐太,平井智也,武田匡平,小堀研一
    • 学会等名
      日本情報考古学会第36回大会
    • 発表場所
      九州国立博物館
    • 年月日
      2016-03-26
  • [学会発表] 周囲の形状を考慮した点群の欠損補間手法の検討2015

    • 著者名/発表者名
      村木祐太,西尾孝治,金谷 孝之,小堀研一
    • 学会等名
      第14回情報科学技術フォーラム
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2015-09-17

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi