研究課題/領域番号 |
15K16883
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
花岡 和聖 立命館大学, 文学部, 准教授 (90454511)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 人口減少 / マイクロデータ / 小地域 / 地理情報システム / 統計分析 |
研究実績の概要 |
本年度の研究成果を大きく分けると、1.全国版の小地域人口マイクロデータの構築および2.ロジット分析を用いた人口動態の要因分析、3.将来人口推計システムの構築に向けたプロトタイプモデルの検討である。以下に、具体的な成果を記す。 1.の成果に関しては、国勢調査の匿名データを用いて、全国版の町丁目別の人口マイクロデータの構築と方法論的な検証を行った。推計された小地域人口マイクロデータは、世帯やその世帯員を区別できる非集計データであるため現実と即した形で人口動態プロセスをモデリングでき、3.の将来人口推計システムのベースとなるマイクロシミュレーションの基礎データとなる。本成果は、地域安全学会論文集や立命館文学に掲載された。 2.人口動態の要因分析に関して、国内外の研究者と共同し、アメリカの国勢調査データを用いて、日本人を対象とした結婚や就業に関するロジット分析を進め、家族形成における日本人的特徴を明らかにした。このような知見を論文として整理し、現在、国内雑誌に投稿中である。また、携帯電話の地理情報に基づく国内の地域人口変化に関しても、海外の研究者と共同で,地域比較検討を進め、英文の編著書としての出版を計画している。 3.将来人口推計システムに関しては、当初計画では、市区町村から1kmメッシュ程度の空間スケールでのモデル構築を予定してた。今年度は、自然動態を考慮した小規模なプロトタイプモデルを構築し、将来的な人口減少の地域差を確認した。今後、これらの成果に、最新の国勢調査や人口動態調査を反映させ、より広範囲を対象としたモデルへと拡張することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小地域人口マイクロデータの構築まで完了したが、当初計画の人口動態モデルは検討段階にあるため。
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今後の研究の推進方策 |
地域の将来人口動態をモデル化するための仕組みを早急に用意し、モデルの精緻化と適用を同時に進めていくことで、当初の研究目的の達成を見込んでいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地調査と研究成果発表を次年度に変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
人口減少地域での現地調査及び研究成果発表への旅費等に使用する予定である。
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