本研究において得られた成果は主に5点にまとめられる。(1)タイ、インドネシア、ベトナムでは大都市圏郊外の工業団地を中心に自動車産業集積が拡大し続けている。(2)日系商社による工業団地開発は大都市郊外への立地戦略が明瞭にみられる。(3)タイでは自動車企業ち大手部品企業双方でASEANにおけるタイの拠点化が進展し、またそれにより国内の生産システムが変容している。(4)インドネシアでは2010年代以降の急速な生産規模の拡大のもとで現地企業における取引量の拡大や新工場の設立、生産システムの深化がみられる。(5)ベトナム自動車部品産業は企業内国際分業体制における輸出拠点という性格を強めている。
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