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2016 年度 実施状況報告書

ポストまちづくり三法時代における大規模集客施設の越境地域政策に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K16890
研究機関愛知大学

研究代表者

駒木 伸比古  愛知大学, 地域政策学部, 准教授 (60601044)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード越境地域政策 / 大型店 / 都市計画法 / 用途地域 / 地区計画 / 中心市街地活性化 / 大規模小売店舗立地法 / 土地利用
研究実績の概要

本年度は都道府県を越えた「越境地域政策」の視点から,(1)全国的スケールにおける立地状況と(2)自治体スケールによる立地・出店をめぐる行政,企業,地元商業者などの各アクターの動きと地域への影響,の2点について主に研究を行った。
(1)については,日本における大型店(うち特に巨艦店)は,2006年度までは増加したがその後急激に減少・停滞しており,都市計画法再改正による立地誘導の効果は限定的であった。また越境地域の視点からみると,巨艦店は件数・面積ともに全大型店の20%程度を恒常的に占めていること,そして工業系用途地域への立地が比較的多いことなどが明らかとなった。
(2)については,県境地域における大型店出店は,今後も続く可能性があること,九州地方に限らず大型店立地に関する越境地域政策の必要性を指摘でき,今回事例とした九州地方知事会による調整システム構築は評価できることを明らかにした。ただし事例分析で明らかとなったように,現状では具体的に調整を行うことは難しく,特に工場跡地や遊休地などを抱える市町村にとって「大型店」の誘致は雇用創出,財政健全化の有効な手段の一つとしてとらえられており,利害関係の調整は極めて困難であることを指摘できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に引き続き文献研究を行うとともに,日本全国を事例として,「越境地域政策」の視点から大型店の出店届出状況の地理的特性を検討できた。さらに,事例研究として,初年度に対象とした九州地方(筑後川流域)の特に大牟田市・荒尾市を研究対象地域として,県境を越えた大型店の出店規制・調整について整理するとともに,特徴的な大型店(ショッピングセンター)の出店プロセスを行政,企業,地元商業者などの各アクターの動きを整理できた。

今後の研究の推進方策

2016年度に調査対象地域とした大牟田市・荒尾市については,ヒヤリングを通じて各アクターの動きについて検証を行っていく。また,九州地方筑後川流域以外にも,県境をまたいだ出店調整が行われているケースもあるため,それらの店舗の出店プロセスについても調査を行っていく。
さらに,全国的スケールという視点からは,2016年度の結果を追加しつつ,他の地理的・計画的・政策的要素との関連を検討していく。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた大規模集客施設のデータベース(リスト)の作成について,アルバイトによる作業を予定していたが,作成過程で専門的な技術(具体的には位置精度および周辺の地理的状況の確認)が必要であると判断されたため,申請者自ら行った。そのため,予定していた予算を大幅に下回ることになった。

次年度使用額の使用計画

大規模集客施設のデータベース(リスト)の作成について,専門的な技術についてマニュアルにまとめ,アルバイトによる作業の効率化などをはかるとともに,既存のデータも活用していく。また,国際学会(第11回韓中日地理学会議,於:韓国・済州島)での発表も行う。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] 仁川大学校(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      仁川大学校
  • [雑誌論文] 経済センサス実施にともなう商業統計の変容とその利用2016

    • 著者名/発表者名
      駒木伸比古
    • 雑誌名

      E-journal GEO

      巻: 11(1) ページ: 154-163

    • DOI

      http://doi.org/10.4157/ejgeo.11.154

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 名古屋大都市圏における社会地図作成の試み2016

    • 著者名/発表者名
      駒木伸比古
    • 雑誌名

      東海社会学会年報

      巻: 8 ページ: 153-158

  • [雑誌論文] 韓国梁山市における新旧市街地の土地利用比較2016

    • 著者名/発表者名
      山下亜紀郎・駒木伸比古・兼子純・山元貴継・橋本暁子・全志英・李虎相
    • 雑誌名

      地理情報システム学会講演論文集

      巻: 25 ページ: CD-ROM

  • [学会発表] 巨艦店出店場所における過去の土地利用状況2017

    • 著者名/発表者名
      駒木伸比古
    • 学会等名
      日本地理学会2017年春季学術大会
    • 発表場所
      筑波大学つくばキャンパス(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-29
  • [学会発表] 日本における巨艦店の立地動向とその特徴―越境地域の視点から2016

    • 著者名/発表者名
      駒木伸比古
    • 学会等名
      2016年人文地理学会大会
    • 発表場所
      京都大学吉田南キャンパス(京都府京都市)
    • 年月日
      2016-11-12 – 2016-11-13
  • [学会発表] 韓国梁山市における新旧市街地の土地利用比較2016

    • 著者名/発表者名
      山下亜紀郎・駒木伸比古・兼子純・山元貴継・橋本暁子・全志英・李虎相
    • 学会等名
      地理情報システム学会第25回研究発表大会
    • 発表場所
      立正大学品川キャンパス(東京都品川区)
    • 年月日
      2016-10-16
  • [学会発表] 人口構造からみた名古屋圏の課題と展望2016

    • 著者名/発表者名
      駒木伸比古
    • 学会等名
      名古屋地理学会秋のシンポジウム
    • 発表場所
      愛知大学名古屋キャンパス(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2016-10-08
  • [学会発表] Locational Regulation of Large-scale Retail Stores from the View Point of Cross-border Regional Policy: A Case Study of Kyushu Region2016

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiko Komaki
    • 学会等名
      The 11th Japan-Korea-China Joint Conference on Geography(第11回日韓中地理学会議)
    • 発表場所
      ニューオータニイン札幌(北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-09-12 – 2016-09-13
    • 国際学会
  • [学会発表] 徳島都市圏における大型店の立地動向と地域の変容―出店規制に注目して2016

    • 著者名/発表者名
      駒木伸比古
    • 学会等名
      地域地理学会2016年度大会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス(岡山県岡山市)
    • 年月日
      2016-06-26
    • 招待講演
  • [学会発表] 越境地域政策の視点に基づく大型店立地調整とその現状―九州地方を事例として2016

    • 著者名/発表者名
      駒木伸比古
    • 学会等名
      2016年度東北地理学会春季学術大会
    • 発表場所
      仙台市戦災復興記念館(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-05-15
  • [図書] 広域地方圏と大都市圏を結合するゲートウェイ・シティとしての豊橋市の地域特性に関する地理学的研究2017

    • 著者名/発表者名
      阿部亮吾・久保倫子・田中健作・近藤暁夫・林琢也・駒木伸比古
    • 総ページ数
      48
    • 出版者
      愛知大学三遠南信地域連携研究センター
  • [図書] 東三河の社会と経済 第8輯2017

    • 著者名/発表者名
      愛知大学中部地方産業研究所
    • 総ページ数
      567
    • 出版者
      愛知大学中部地方産業研究所
  • [図書] まちづくりのための中心市街地活性化―イギリスと日本の実証研究2016

    • 著者名/発表者名
      根田克彦
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      古今書院

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-22  

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