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2016 年度 実施状況報告書

都市の河川敷の利用をめぐる社会・政治地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K16891
研究機関立正大学

研究代表者

本岡 拓哉  立正大学, 地球環境科学部, 特任講師 (60514867)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード河川敷 / 都市 / 居住 / 空間の政治 / 都市社会地理学
研究実績の概要

2016年度は所属研究機関の変更および他科学研究費の研究分担者となった関係で、スケジュール自体には若干遅れはあるものの、予定している研究計画の内容に大きな変化はなかった。本年度は引き続き近現代日本における河川敷の利用実態とそれをめぐる政治的状況を明らかにするための調査を実行した。特に現地調査では、神戸市新湊川および静岡市安倍川の河川敷を対象に、それぞれ関係者へのヒアリングならびに関連機関での資料調査などを実施した。
本年度の研究成果については、まず同志社大学人文科学研究所発行『社会科学』第46巻第1号に「戦後、集団移住へ向けた河川敷居住者の行政交渉:広島・太田川放水路沿いの在日朝鮮人集住地区を事例にー』が掲載された。本論文は、戦後広島に存在した在日朝鮮人が集住した河川敷居住地を事例に、集団移住を成し遂げるための行政交渉を通時的に辿り、行政による戦略と住民による戦術のダイナミズムを明らかにしたものである。また、2016年6月に開催された立正地理学会2016年度研究発表大会にて、「戦後、バタヤ集落の「くらし」を問い直す」の報告を実施した。ここでは1950年代から60年代にかけての東京都区部を対象に、河川敷も多く含まれるバタヤ集落の居住・生活実態に迫るものとなっている。以上の研究成果は、この本科研に先行して実施した「戦後都市化による河川敷の変容に関する社会・政治地理学的研究」(科学研究費補助金(若手研究B) 、研究課題番号:24720383)の研究成果として位置付けられる部分も多いが、現代都市の河川敷利用にアプローチする上での歴史的位置付けを明示するものであり、本研究課題にとっても重要な研究実績である。なお、本年度の調査内容については次年度以降の研究成果として報告する予定でもある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属研究機関の変更および他科学研究費の研究分担者になった関係で、現地調査の実施回数が若干少なくなったため、進捗において当初予定していた計画よりもやや遅れた状況となっている。

今後の研究の推進方策

今後の研究については、残された研究費を適切にかつ有効に活用し、当初の計画よりもエフォート率を若干高めるとともに、迅速な対応を行なう予定である。また、現地調査で得た結果については、随時、論文執筆や関連学会での学会報告につなげ、研究目的を達成するよう努めたい。

次年度使用額が生じた理由

本年度は所属研究機関の変更および他科学研究費の研究分担者になったことで当初の使用計画を達成することが出来なかったため、前年度のものと合わせて今年度も使用残額が生じた。

次年度使用額の使用計画

当初立てた研究計画を着実にかつ迅速に対応すること、さらには本研究のエフォート率を若干高めることで、残された研究費を適切にかつ有効に活用していきたい。具体的には現地調査の回数を可能な限り増やしていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 戦後,集団移住へ向けた河川敷居住者の行政交渉ー広島・太田川放水路沿いの在日朝鮮人集住地区を事例にー2016

    • 著者名/発表者名
      本岡拓哉
    • 雑誌名

      社会科学

      巻: 46-1 ページ: 197-238

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「地理的な見方」のデジタルアーカイビング2017

    • 著者名/発表者名
      本岡拓哉、土屋衛治郎、松尾忠直、中島健太
    • 学会等名
      日本地理学会2017年春季学術大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2017-03-28
  • [学会発表] 戦後、バタヤ集落の「くらし」を問い直す2016

    • 著者名/発表者名
      本岡拓哉
    • 学会等名
      立正地理学会2016年度研究発表大会
    • 発表場所
      立正大学
    • 年月日
      2016-06-04

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公開日: 2018-01-16  

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