本研究課題では、高齢化がアラブ諸国の中では最も進展していると考えられるレバノン共和国において、高齢者施設などでの参与観察および聞き取り調査を中心に研究を行った。 その結果、公的な支援では充分な対応ができず、ゆえに同国の様々な宗派集団が基盤となって高齢者関連の施設を設置・運営する様子が浮かび上がってきた。他方で、親族間での高齢者ケアに対する強い志向性が意識の上では根強く、若年層の海外移民との間でジレンマになる局面もあることが認められた。 研究成果については、論文、口頭発表を通して行い、アカデミズムの内外双方で成果還元を行うことが出来た。
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