本研究は社会主義国ラオスにおいて、近年顕著にみられる農業集団化を目的としたサハコン(協同組合)設立の動向について、中央政府、県政府といったマクロな政策決定と実施の過程に注目しつつ、集団化の対象となる農家のミクロな関わり方を明らかにした。そのうえで市場経済化に対して農業を再集団化させるという社会主義国特有の政治力学について検討した。とりわけ、法整備などの政策実施の過程に関する情報を収集していくことで、アクターがこの過程の中に巻き込まれていく理由を考察した。他方、農業を集団化させようという機運が高まるなか、コーヒー生産者協同組合の形成過程、および農家によるこの政策の受容の仕方について検討した。
|