• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

功績概念の再検討を通じた応報刑論の擁護とその含意の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K16913
研究機関横浜国立大学

研究代表者

米村 幸太郎  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (00585185)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2020-03-31
キーワード正義論 / 功績
研究実績の概要

本研究の目標は、刑罰についての応報主義の内実と正当化可能性について、功績の概念を手掛かりにして考察することにあるが、前々年度に指摘した通り、この問題の十全な検討のためには、現代リベラリズム、とくにその善に対する国家の中立性の理念についての検討が必要と考えた。というのも、功績に基づく取り扱いを許容することはある種の卓越主義的実践を許容することに他ならないと考えられるからである。このような発想から、H30年度には中立性の理念のあるべき形態として、Alan PattenのNeutrality of Treatmentという構想をとりあげ、これに基本的に沿った立場が一定の卓越主義的実践とリベラルな中立性とを適切に両立すると主張した。H31年度もこのアイディアの批判的検討と発展につとめ、世界法哲学会(スイス・ルツェルン大学)で報告を行った。同時に、ここで得られた中立性の理念が、具体的な問題群に対してどのような含意を持つのかについての議論を発展させるため、批判的参照点としてMatthew KramerのLiberalism With Excellenceにおける卓越主義論を包括的に検討する作業を遂行した。また、宗教や文化への中立性理念の適用について、より詳細な議論を展開しているCecile Labordeの論考への検討・批判も行い、その成果は東京法哲学研究会において試行的に発表したものの、活字化については共著プロジェクトの変更に伴って年度内には間に合わなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Reviving Neutrality and Its Implication / Reviving Neutrality and Its Implication2019

    • 著者名/発表者名
      Kotaro YONEMURA
    • 学会等名
      The 29th IVR World Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 芸術や宗教に対して中立的であるとはどういうことか? :KramerとLabordeの議論を検討する2019

    • 著者名/発表者名
      米村幸太郎
    • 学会等名
      東京法哲学研究会
  • [学会発表] 定年後のシニアの処遇低下はどこまで許されるのか?2019

    • 著者名/発表者名
      米村幸太郎
    • 学会等名
      「まだ出来る人」の隙間時間活用シンポジウム―人生100年時代のシニア雇用における課題と展望―

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi