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2015 年度 実施状況報告書

戦後初期のドイツ専門裁判所における私人間効力論の展開――リュート判決を軸として

研究課題

研究課題/領域番号 15K16923
研究機関高知大学

研究代表者

岡田 健一郎  高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (70632454)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード憲法の私人間効力 / ドイツ連邦憲法裁判所
研究実績の概要

初年度は以下の3点について取り組んだ。
第一に、研究を進める上で最低限必要な基礎的文献(ドイツや日本の憲法学のコンメンタール、体系書、研究書など)の収集・整備である。これに関しては一定実現できたと考える(具体的には『ドイツ国法学ハンドブック』、マンゴルト=クラインの『基本法コンメンタール』など)。ただし、依然として文献やデータベース等に関し不足があるため、2年度以降も引き続き文献等の収集・整備に努めていきたい。
第二に、私人間効力論に関する日本の憲法学説の整理を行った。まずは先行文献などを基に、戦後における日本の私人間効力論の展開を整理することに努めた。その結果、戦後においては私人間効力論が予想以上に継続的に論じられてきたことを確認できた。また、その成果の一部として、住友セメント女性結婚退職制事件などといった企業内の性差別に関する判例を整理し、さらにそれらに関する憲法学説の問題点を検討し、拙稿「周辺化された人々と人権」(佐々木弘道=宍戸常寿(編著)『現代社会と憲法学』所収)などの形で公表することができた。
第三に、私人間効力論(および基本権保護義務論)に関するドイツの学説の整理を行った。この点は科研費獲得前から取り組んできたが、その成果の一部を、「ドイツ公法学における「国家の暴力独占」論と基本権保護義務論」として民主主義科学者協会法律部会・憲法分科会・夏合宿において発表することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書の研究計画・方法に記載した課題である「コンメンタールやデータベース、日独の基本文献など、研究基盤の整備」、「戦後日本の憲法学における私人間効力論の整理」、「収集した資料を基に、1940~60年代を中心とした、ドイツの民法・労働法学説における私人間効力論の整理」を、上記のごとく概ね進めることができたと考えるため。

今後の研究の推進方策

交付申請書の研究計画・方法に記載した2年目の課題である、「連邦憲法裁以外の裁判所、とりわけ連邦通常裁と連邦労働裁の私人間効力に関する判例収集・整理」に取り組んでいきたい。また、引き続き研究基盤(基本文献など)の整備を行っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

スケジュールの都合等により、出張に行く回数が予定より少なくなったことなどによる。

次年度使用額の使用計画

ドイツ憲法学に関する文献の購入などに使用したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] ドイツ公法学における「国家の暴力独占」論と基本権保護義務論 ――ドイツ連邦憲法裁判所・武器法決定を素材として2015

    • 著者名/発表者名
      岡田健一郎
    • 学会等名
      民主主義科学者協会法律部会・憲法分科会・夏合宿
    • 発表場所
      尾上の湯旅館(長野県松本市)
    • 年月日
      2015-09-03
  • [図書] 現代社会と憲法学2015

    • 著者名/発表者名
      佐々木弘道、宍戸常寿
    • 総ページ数
      304(申請者は105~120頁を執筆)
    • 出版者
      弘文堂

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公開日: 2017-01-06  

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