研究課題
若手研究(B)
アメリカ憲法史において、建国期から20世紀に至るまで、憲法上の権利とコモン・ロー上の権利は同一のものと考えられていた。コモン・ローは、人身の自由、身体の安全、財産権などの権利を私人からの侵害からも政府からの侵害からも保護していた。アメリカ憲法が保護しようとした権利とは、元来このようなコモン・ロー上の権利であった。20世紀中期以降、憲法にのみ根拠を有する権利が出現するに至る。その時初めて、憲法上の権利が私人に対しても主張できるのかという問題が自覚されるに至る。
憲法史