本研究は、国際法と「中東地域秩序」との関係を解明するため、同概念の内容と実態を実証的に明らかにすることを目的としたものである。その結果、アミーン・アルスラーン等のシリア・レバノン系の著者がアラブ民族主義的な目的を持ちつつ、「国際法」知識の伝達に寄与し、国際法にとっても中東地域秩序にとっても根本的な概念のアラビア語を鋳造していることが確認された。彼らの記述にはアラビア語の重視が見て取れ、そこに中東地域秩序の一つの源流を見出すことができた。ただ、その実態の研究に関しては『統一に関する討議についての報告書』の分析を行ったが、いまだ結論を出すには至っていない。
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