日本においては、民間部門のみならず、公務部門においても非正規雇用が拡大している。公務部門における非正規雇用者は、公務員法による十分な保障を享受できず、また労働法による保護からも排斥され、いわば「法の狭間」に置かれているのが現状である。他方、ドイツにおいても非正規類型の公務労働従事者が存在するが、その法体系は、公務員法と労働法の相互関係の中で機能しており、「法の狭間」は生じていない。本研究は、上記のような異同を踏まえ、比較法的見地を交えつつ、「非正規」類型の公務労働従事者に焦点を当て、公務員に関する法構造を分析するものである。
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