本研究では、重大な触法少年事件防止のための多機関連携のあり方に関して実証的研究を行っており、最終年度である2016年度は「①資料の収集」、「②実態調査」、「③検討会の開催」、並びに「④研究成果の取りまとめ」を行った。 「①資料の収集」に関しては、第1年度で収集しきれなかった不足分を補充するとともに、収集した資料の整理・分析を行った。 「②実態調査」に関しては、「①資料の収集」で得られた分析結果のほか、第1年度の実績報告書の「今後の研究の推進方策」を踏まえながら、以下二方面から行った。第一は、重大な触法行為を行い、施設収容処分を受けた事件の調査研究であり、具体的には触法少年を収容する施設を中心として、赤城少年院、筑紫少女苑、福岡少年院、和泉学園、国立武蔵野学院、並びに国立きぬ川学院への質問紙・聞き取り調査を行った。第二は、多機関連携により、重大な触法行為を未然に防止できた事件の調査研究であり、具体的には多機関連携が全国的に見ても積極的に行われている福岡県警察本部北九州少年サポートセンター、北九州市教育委員会少年サポートチーム、並びに北九州市子ども総合センター(児童相談所)といった北九州地方の関係機関のほか、「子どもの居場所づくり」によって触法行為などの未然防止に寄与している民間組織として、日本ガーディアンエンジェルス北九州支部北九州ドロップインセンターや特定非営利活動法人こどもの里への質問紙・聞き取り調査を行った。 「③検討会の開催」に関しては、上記「①資料の収集」や「②実態調査」を行う毎に研究協力者も交えて実施し、それまでの研究内容を検討するとともに、研究期間満了までに行うべき補足調査事項を協議した。 そして、「④研究成果の取りまとめ」に関しては、第1年度及び最終年度で行った各種の調査研究を踏まえた本研究の総括について2016年度末に集中的に行った。
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