現代社会では情報財の流通促進やビッグデータの利活用促進など情報の流通を円滑に行うことが重視される一方で、著作権や人格権(名誉権やプライバシー権など)のように情報の流通を阻止する権利もますます重要視されるようになっている。本研究では、これらの情報を客体とする権利と、表現の自由をはじめとする情報を利用する者の権利との調整がどのような判断枠組みを用いて行われているかをドイツ法及びEU法との比較法を素材としつつ領域横断的に検討し、これを基礎として、著作権法の立法論的提言、プライバシーに関する判例理論の再検討、ヨーロッパ法の知見を応用した「忘れられる権利」の構造分析を行った。
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