| 研究課題/領域番号 |
15K16990
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| 研究機関 | 早稲田大学 |
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研究代表者 |
田中 有佳子 (坂部有佳子) 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (50732715)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 政治暴力 / 紛争後社会 / 民主化 / 国家建設 / アチェ |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、紛争後社会における民主化と国家建設の作用が、どのように政治勢力が組織的転換を果たし、なぜ暴力を選択するかの因果メカニズムを精緻化することである。本来であれば、自由で公正な選挙の実施と国家の能力の構築は、いずれも紛争の非暴力化を目指す試みである。しかし、なぜ逆の効果、つまり暴力が生じるのかを明らかにすることが本計画の狙いである。より具体的には、本計画では、民主化、国家建設どちらも権力分掌過程の一部であると捉え、アクター間の対立が生じるメカニズムを示すものである。
これまでは、インドネシア・アチェにおける事例分析を進めるため、主に資料収集により、2005年の政府と武装組織GAM間の和平合意後の政治状況、暴力状況を把握することに注力した。結果、特別自治権を獲得したアチェ州内における地方選挙の実施が、GAM元兵士を含んで新たな暴力を生み出していることが分かった。しかし、先行研究は個別ケースの事例分析にとどまっており、一般的な知見としてなぜそのような暴力が存在するのかの研究には至っていない。
以上の点を踏まえ、平成28年度は、現地協力者とともにGAM勢力が活動していた地域を中心に調査票によるサーベイを実施した。この実施には、調査方法の策定、調査実施地域の選定、質問票の作成、質問票のインドネシア語への翻訳、調査実施者に対するワークショップの開催、調査の実施、調査票の回収・確認、実施報告書の作成、データ入力が含まれている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査票によるサーベイの実施中、調査対象地域における地震発生や大雨の影響で調査実施を延期したものの、現地協力者の努力によりサーベイ実施自体は年度内に終えることができた。ただしデータ入力が当初計画から遅延して開始したため、その後のデータ整理が一部来年度に持ち越しとなった。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は基礎的な入力を終えたデータを分析可能な形に整え、分析を開始する。元兵士、GAM関係者と一般市民の間における紛争後の社会状況の認識や暴力状況の認識がどれほど異なり、それは何故かを分析する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
サーベイ調査結果のデータ入力・整理が一部遅延したことにより、当初予定していた研究補助者の雇用の一部を来年度へ持ち越したため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
データの整理につき研究補助者より協力を得るとともに、データ分析の結果の論文執筆にかかわる英文校正、研究会・学会発表のための費用に用いる予定である。
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