本研究は、市長の行財政改革について明らかにしたものである。これまでの調査により、行財政改革にあたっての市長のリーダーシップの重要性や、市議会の構成の変化といった要因が重要であることが明らかになった。また、行財政改革の規定要因として、市議会における市長与党の議席率をはじめとした、政治的要因が影響していることが分かった。市議会における市長与党の議席率が多くなるほど行財政改革の効率は上がるが、多すぎるとかえって非効率になる。この他に、平成の大合併を経験した市における市長選挙の事例分析から、多くの市で現職市長の進めた行財政改革が争点となり、新人候補による挑戦を容易にしたことが明らかになった。
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