研究実績の概要 |
平成29年度は、当初の計画に従い、研究成果の公刊へむけた作業に重点的に取り組んだ。特に研究成果を次の3本の論文にまとめ直し、英文査読誌への投稿作業や研究報告を行った。まず、数理モデルを用いて停戦の持続性と資源利用の関係について解明した理論研究は「The Perils of Victory: A Theory of War Resumption」と改題し、前年度の報告で得られたフィードバックをふまえ内容に大幅な修正を施した。その後、雑誌投稿に向けた作業を行った。 次に、第二次世界大戦後の国家間の停戦に関するデータを用いて停戦と資源の関係を実証的に研究した成果、および中越紛争に関する調査結果を「Territorial Acquisition, Commitment, and Recurrent War」としてまとめ直し英文査読誌へ投稿した。査読者などから得たコメントをふまえ再修正・再投稿を行った結果、年度内に研究論文として公刊することができた。これつきオープンアクセスを契約した。 三本目の論文は、第三国が対外援助を通じて停戦の維持を助けられるかを検証したものである。本年度はまず前年度成果である国際学会報告でのフィードバックに基づき修正作業を行った。加えて、どのような紛争当事国が対外援助を受けやすいのかをデータにより検証し成果を論文に反映させた。それらを「Riding a Bandwagon for Lasting Peace: Conflict Management through Foreign Aid」としてまとめ直し、神戸大学での国際政治経済ワークショップにて報告した。その後の修正作業と並行し、具体的な事例としてアラブ・イスラエル紛争後の米国による援助政策を米国外交史料集所収の機密解除史料を中心として検討した。そして、雑誌投稿に向けた作業を実施した。
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