本研究課題では、様々なアクターが関与して平和構築に取り組む国際平和活動のなかで、日本の国際平和協力がいかなる位置づけなのかを考察した。 それは、軍隊が主導して治安の安定化を志向する段階から、開発援助が本格的に開始される復興段階の繋ぎ目に展開し、軍と民の橋渡しをする点(移行期支援)に特性があることを明らかにした。また、自衛隊が活動をつうじて、次第に移行期支援の機能を高めてきたこと、その背景には期間の限定される自らの活動を復興に寄与させることを希求する動機が働いていたことを示した。 以上を踏まえ、国際平和協力をみるさいには、移行期支援と、それを希求する自衛隊という視点が求められることを提示した。
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