本研究は、既存の西洋中心の国際関係理論に対する非西洋の国際関係理論の台頭に焦点を当て、他の非西洋地域と比較してその検証が進んでいない中東地域の国際関係理論について、トルコの貢献を中心に明らかにすることであった。 本研究では、西洋起源の国際関係理論を非西洋地域の分析に適用する際に生じる「ずれ」を可視化したうえで、非西洋諸国が西洋起源の国際関係理論を受容する中で創出される独自の視点、そして当該地域・国家・社会の中から創出または発見される自前(homegrown)の理論と思想の国際関係理論への活用に取り組んだ。3年間の研究期間で自前の理論と思想の発見までは目的をかなりの程度達成することができた。
|