条約のない環境協力やそのための政府間交渉は、地球規模での環境条約とどのように影響しあうだろうか。本研究では、そのような協力が多いアジアの越境大気汚染ネットワーク群と、大気汚染物質の中でも水銀を扱う水銀に関する水俣条約(地球規模の大気条約はない)を分析事例として選択した。双方での越境汚染監視プログラムや技術支援、政府間交渉の進捗を中心に、地域とグローバルなガバナンス相互作用の接点を解明した。モニタリングについては地域レベルのネットワーク群の関与が見られ、グローバルな大気汚染監視に必要な知見も活かされようとしている。APCAPではグローバルな取り組みとのつながりを生み出そうとする試みが見られた。
|