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2016 年度 実施状況報告書

地域安全保障と地域機構の紛争関与:アジアとアフリカの対照性の要因分析

研究課題

研究課題/領域番号 15K17015
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

鈴木 早苗  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (30466073)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード紛争研究 / アフリカ / 方法論 / 地域機構
研究実績の概要

今年度は三つの調査研究を実施した。一つは、紛争研究の潮流を把握するため、コペンハーゲン大学政治学部および同大学紛争解決センターを訪問し、研究計画に対するコメントを求め、現地調査上のアドバイスを受けたことである。このなかで、アフリカの地域機構に関する調査には、一次資料の不足(そもそもあまり公式文書を残さない)や資料入手の困難、インタビューの実施の困難さなど問題があることがわかった。一方、アフリカの地域機構に関しては、その活動の活発化から、多くの書籍が出版されている。二次文献としてそうした文献を活用するとともに、現地以外で一次資料等(公式文書など)が入手可能か検討する必要がある。
第二に、紛争研究に関する文献を重点的に購読し、分析枠組みの精緻化に必要な概念整理などを行った。紛争研究は量的研究と質的研究に分かれる。質的研究には、社会学的アプローチを援用したものが目立ち、紛争当事者の認識や価値などを分析するものが多い印象がある。本研究は意思決定過程を追うことに主眼を置いており、その意味でも紛争当事者(加盟国政府)の認識や意図をどう捉えるかという点で、これらの質的研究は大変参考になった。
第三に、方法論の整理と検討を行った。特に、意思決定過程を追う本研究にとって不可欠な方法論として、過程追跡法の基本を確認したことは、今後実証分析を実施する上で、大いに役立つと考える。また、二つの事例を比較する際の基本についても確認した。アジアとアフリカの地域機構を比較する本研究で、他の変数を統一して比較する原則をどのように維持するかについて今後検討する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アフリカの地域機構について現地調査を実施する予定だったが、調査準備が十分に整わず、翌年度に持ち越している。調査事項はある程度固まっているが、調査準備の遅れの多くは、現地情勢が悪化したことや、地域機構の官僚機構へのインタビュー実施が困難というところに起因している。現地調査実施に向け、今後、様々な方法を検討したい。

今後の研究の推進方策

アフリカの地域機構に関する動向を調査するため、エチオピアなどへの現地調査を計画しているが、一次資料の取集について現地以外でも収集可能かを検討したい。
並行して、学術雑誌への投稿を進める。また、アフリカ研究および紛争研究に関する学会にも参加する予定である。

次年度使用額が生じた理由

現地調査の実施が遅れたため。

次年度使用額の使用計画

現地調査・学会出張などの実施、文献の購入に充てる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 図書 (4件)

  • [図書] 東南アジア地域研究入門 3 政治2017

    • 著者名/発表者名
      山本信人(編)
    • 総ページ数
      344(P.203~P.218)
    • 出版者
      慶応大学出版会
  • [図書] ASEAN共同体―政治安全保障・経済・社会文化2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木早苗(編)
    • 総ページ数
      187
    • 出版者
      アジア経済研究所
  • [図書] 東アジアのかたち―秩序形成と統合をめぐる日米中ASEANの交差2016

    • 著者名/発表者名
      大庭三枝(編)
    • 総ページ数
      272(P.97~P.120)
    • 出版者
      千倉書房
  • [図書] ASEAN経済共同体の創設と日本2016

    • 著者名/発表者名
      石川幸一・清水一史・助川成也(編)
    • 総ページ数
      355(P.51~P.65)
    • 出版者
      文眞堂

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公開日: 2018-01-16  

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