本論文において私は、各経済主体が異時点間の消費に関し、誘惑と自制のトレードオフに直面するような貨幣的無期限期間モデルを構築した。そして望ましい金融政策がフリードマンルールに従わず、適度なインフレが望ましいことを示した。このモデルにおいては、消費者は保有する貨幣をすべて使い切りたいとする誘惑にかられる。本論文において私の示したことは、フリードマンルールから乖離して名目利子率をプラスにすると、貨幣の実質的価値を下げ、誘惑に負け消費をすることから得られる効用、つまり自制のコストを減らし、結果として社会厚生が増加するということである。
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