研究実績の概要 |
研究成果に関してはまず、世界的な英文学術誌に論文が掲載された。Tomohiro Hirano, and Noriyuki Yanagawa "Asset Bubbles, Endogenous Growth, and Financial Frictions," The Review of Economic Studies, 84 (1): 406-443, 2017. 次に、上記の論文に基いて次のテーマに関して現在、分析中である。テーマは、バブル崩壊と長期の経済成長に関するテーマである。問題意識は次である。大きな銀行危機や通貨危機の後には生産レベルだけでなく、長期的な経済成長率が危機前のトレンドよりも下がってしまい、元のトレンドに戻らないことがよく見られる。資産バブル崩壊後にすぐに回復する経済があるのに対して、長期停滞に陥ってしまう経済があるのはなぜだろうか。資産バブル崩壊後の成長パスはどのような要因によって決まるのだろうか。現在、このテーマに関して集中的に分析を進めている。論文は、Tomohiro Hirano, Ryo Jinnai, and Pablo Guerron-Quintana "Bubbles and Trends"であり、今年の夏に米国で開催されるNBER Summer Instituteで発表予定である。このテーマは、世界的に注目されている長期停滞論にも大いに関係しているため、質の高い論文に仕上げた上で、米国で発表をしたい。
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