研究課題/領域番号 |
15K17027
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
濱野 正樹 上智大学, 経済学部, 准教授 (20711089)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 財の品質 / 異質な企業 / 為替レート / 貿易収支 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、理論モデルの構築とその分析、実証データの分析において大きな進展を見た。具体的には、Hamano and Picard (2013)にMelitz (2003)型の異質な企業を導入することに成功し、需要ショックが貿易収支に与える影響、または貿易収支のボラティリティに与える影響を分析した。また実証面では、理論モデルから得られる帰結を、CompNetデータを用いて検証した。 また平行して、初年度から行っている作業として、Feenstra and Romalis (2014)をベースに、財と品質と種類の変化に関する大規模なデータセットを構築した。いまのところこのデータセットは関連する別論文で主に使われているが、為替相場に関する情報を加えることで、本研究での活用も大いに期待できる。 さらにEconometric Society Asian Meetingにおいては関連する研究に関する報告を行った。また8月と2月にはパリに研究滞在し、フランス銀行のFrancesco Pappada研究員と本研究に関連する共同研究を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
8月と2月のフランス銀行での研究滞在において、本研究は大幅な進捗を得た。私自身の関心や、問題設定には若干の変化があるが、おおむね当初の研究計画通りに進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、現在完成した異質な企業を含むモデルに、Calvo (1983)型の賃金の硬直性を含んだ、動学的な定式化を主な課題とする。またすでに出来上がった理論モデルと実証結果をベースにした初期段階の論文をいくつかの国際学会やワークショップにおいて発表する予定である。
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