• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

景気循環論の原風景としての戦後アメリカの経験に対する歴史的考察

研究課題

研究課題/領域番号 15K17033
研究機関首都大学東京

研究代表者

高見 典和  首都大学東京, 社会科学研究科, 准教授 (60708494)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードマクロ経済学 / 現代経済学史 / 現代アメリカ史
研究実績の概要

主に,以下の3点を上げることができる。第一に,『経済研究』(一橋大学経済研究所)に「20世紀前半の計量経済学の歴史」という論文を刊行した。同論文は,計量経済学が,確率論的統計学をベースに,経済理論と経済統計とを接合するための独自の手法を構築しながら,経済学の一分野として明確に打ち立てられたことを論じた。このような20世紀半ばの確率論的計量経済学の確率は,本研究で研究対象としている戦後のマクロ経済学の動向に対して,きわめて重要な知的背景を与えており,本論文は,この知的背景を明らかにするための重要な出発点となった。
第二に,D. Wade Hands氏のReflection without Rulesが慶應義塾大学出版会から『ルールなき省察:経済学方法論と現代科学論』として出版されたが,研究代表者は,本翻訳に関して監訳者として主要な役割を果たした。この著作は,経済学を哲学的に考察する分野である経済学方法論が,20世紀終わりに大きな転換を経験したことを詳細にサーベイした専門的概説書であるが,このような変化は,経済学方法論の隣接分野である経済学説史に対しても,特に欧米において大きな影響を与えた。本翻訳の刊行は,欧米での経済学説史の根本的研究関心の変化,および,研究代表者が本研究において実践しようとしている研究手法を,日本の同分野の研究者に理解してもらう契機となることが期待される。
第三に,『経済セミナー』(日本評論社)で,「連載:経済学説史」を5回分(2017年6・7月号-2018年2・3月号)担当した。それぞれの回では,計量経済学,ゲーム理論,行動経済学,IS-LMモデル,経済成長理論をあつかったが,これらを通して,20世紀後半にマクロ経済学が変容する過程を,その周辺的変化も含めて描写・分析した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] ソローを中心とした経済成長理論の歴史2018

    • 著者名/発表者名
      高見典和
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 700 ページ: 85-92

  • [雑誌論文] 20世紀前半の計量経済学の歴史 --サーベイと計量書誌学的考察--2017

    • 著者名/発表者名
      高見典和
    • 雑誌名

      経済研究

      巻: 68 ページ: 264-279

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 20世紀半ばの計量経済学2017

    • 著者名/発表者名
      高見典和
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 696 ページ: 91-96

  • [雑誌論文] ゲーム理論の始まり2017

    • 著者名/発表者名
      高見典和
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 697 ページ: 62-68

  • [雑誌論文] 行動経済学の由来2017

    • 著者名/発表者名
      高見典和
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 698 ページ: 95-101

  • [雑誌論文] ケインズとIS-LMモデル2017

    • 著者名/発表者名
      高見典和
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 699 ページ: 54-59

  • [学会発表] 20世紀前半の計量経済学の歴史2017

    • 著者名/発表者名
      高見典和
    • 学会等名
      経済理論・政策ワークショップ
    • 招待講演
  • [図書] ルールなき省察2018

    • 著者名/発表者名
      D・ウェイド・ハンズ、高見 典和、原谷 直樹、若田部 昌澄
    • 総ページ数
      540
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会
    • ISBN
      978-4-7664-2508-6
  • [学会・シンポジウム開催] リュバン教授研究会2017

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi