本研究では,内生変数を含むベイズ分位点回帰モデルとその推定方法の開発を行った.提案するモデルは通常の操作変数法と同様に2本の式からなり,一段回目の回帰残差を二段階目にコントロール変数として導入することにより,内生性によるバイアスの除去を可能とした.また,内生変数の非線形の効果の推定も試みた.非線形分位点回帰は各分位点を柔軟に推定することができるが,サンプル数が小さい場合や分布の裾にあたる分位点を推定する場合には,推定結果が不安定になる.よって本研究では,データの分布としては形状に大きな制約がある非対称ラプラス分布の代わりに一般化非対称ラプラス分布を導入し,新たなモデルの定式化を行った.
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