研究課題/領域番号 |
15K17039
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
星野 匡郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (80726430)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 戦略的相互依存 / 空間的自己相関 / トリートメント効果 / セミパラメトリックモデル |
研究実績の概要 |
(1) 二人の主体間に戦略的な相互依存関係が存在する場合において,トリートメント効果(Marginal treatment effect: MTE)が識別可能となる有力なフレームワークを発見した.また,このフレームワークに基づいて,MTEをセミパラメトリックな二段階推定法によって推定できることを示し,その推定量の漸近的性質について厳密な証明を与えた.さらに,この推定方法を用いて,アメリカの中高生において,非行行動が学業成績にどのような影響を与えるか実証分析によって検証した.以上の結果をワーキングペーパーとしてまとめ,関西計量経済学研究会において研究報告を行った.
(2) 空間的自己相関を伴う切断された被説明変数を持つ回帰モデルについてまとめた論文「Semiparametric Estimation of Censored Spatial Autoregressive Models」が国際学術誌Econometric Theory に採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
戦略的な相互依存関係が存在するトリートメントモデルについて,革新的なモデルを構築することができた.しかしながら,本来の研究終了年度までに研究をまとめることが困難であったため,終了年度を延長し,引き続き申請の研究課題に取り組むこととした.
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今後の研究の推進方策 |
戦略的な相互依存関係が存在するトリートメントモデルに関する論文を完成させ,国際学会で研究発表を行う.さらに,今年度内に国際学術誌へ投稿する.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は申請の研究課題について大きな進展が得られたため,研究遂行・論文執筆により多くの時間を割くことになった.その結果,国際・国内学会への参加が当初の予定より少なくなった. 今年度は複数の国際学会で発表することがすでに決定しているため,主にその予算として用いる.
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