国民生活基礎調査の平成13年、平成16年、平成19年、平成22年を用い世帯総所得と等価可処分所得の所得格差の寄与度分解を所得要素ごとに行った結果、世帯主の就労収入の格差は拡大傾向にあり、また、女性の社会進出がすすみ世帯主の配偶者の収入が世帯の収入に占める割合が増加したことは、ダグラス=有沢法則が示唆するような格差の縮小をもたらすものではなく、むしろ格差の拡大に寄与しているということが明らかになった。ただし、全体としての格差は停滞傾向にあり、その原因は税・社会保険料の負担が格差の拡大に抑制的であったためであった。
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