研究課題/領域番号 |
15K17044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小暮 克夫 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 特定助教 (00610057)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経済発展 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、社会・経済変化の過程における制度と人間行動との相互作用を研究することである。平成29年度は、本プロジェクトの3年目にあたり、主に以下の研究活動を行った。
(1)査読付き国際学術雑誌に投稿していた、「カンボジア大虐殺の長期的影響」に関する論文について、編集長と査読者から得たコメントを踏まえて改訂作業を行い再投稿した。 (2)平成28年度より取り組んできた、「歴史出来事が現代の経済成果に与えるミクロレベルでの因果効果の計測に関する考察」について、新たにディスカッションペーパーに取りまとめて、査読付き国際学術雑誌に投稿し、編集長と査読者から得たコメントを踏まえて改訂作業を行い再投稿した。また、本論文を8月5日に一橋大学社会科学高等研究所で開催された国際会議(HSI2017-3rd Hitotsubashi Summer Institute)で研究報告を行い、参加者と意見交換を行った。 (3)地理空間に立地・分布する対象(空間事象)の因果効果を計測するため、地理情報システム(GIS)を活用した新たな分析枠組みを論文に取りまとめて、査読付き国際学術雑誌に投稿した。本論文を11月25日、台湾国立政治大学で開催された国際会議(2017 CSEAS-CSEAS Workshop of Young Scholars on Southeast Asian Studies)で研究報告を行い、参加者と意見交換を行った。 (4)「難民の経済的帰結」の論文の改訂作業を行い、国内研究集会で研究報告を行い、参加者と意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度に本研究プロジェクトに関連する時空間データを用いた因果推論の考察を深める必要が生じ、当初の研究計画の見なしを行ったため。平成29年度は、関連論文2編を執筆し、査読付き国際学術雑誌に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づいて、作業を進める。平成29年度の研究成果を踏まえて、「難民の経済的帰結」の論文をさらに改訂し、査読付き国際学術雑誌への投稿を目指す。また、政治権力の形成についても検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:平成29年度は、作業の進捗にあわせて、効率的な研究費の使用を心がけたところ、未使用額が発生した。
使用計画:平成29年度の未使用額は、平成30年度の研究費とあわせて、主に、国内・国際学会等への参加旅費、デスクトップパソコン・専門書の購入、英文校閲費、論文投稿料などに使用することを予定している。本研究プロジェクトで使用しているセンサス個票データの解析を円滑に遂行するため、高性能のデスクトップパソコンを購入する必要が生じた。平成30年度は、まず高性能のデスクトップパソコンを購入し、それから効率的な研究費の使用を心がける。
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