本研究の目的は、社会・経済変化の過程における制度と人間行動との相互作用について多角的に研究することである。平成30年度は、本プロジェクトの最終年度にあたり、平成29年度までの作業を踏まえて、学術論文4編の執筆・改訂作業と成果報告を行った。
具体的には、2編の学術論文を執筆した:[1]"GIS for Empirical Research Design: An Illustration with Georeferenced Point Data"(空間現象が周辺地域の人々の社会経済行動・状態に与える影響を計測するためのGIS(地理情報システム)を活用した新たな分析枠組みを提示した研究)、[2]"Consequences of Cambodian Refugees"(ポル・ポト政権(1975-1979)の崩壊時に大量発生したカンボジア難民の経済的帰結を定量的に明らかにした研究)。論文[1]は、査読付き国際会議("GIScience 2018: 10th International Conference on Geographic Information Science")で成果報告を行い、その後、査読付き国際学術雑誌("PLOS ONE")に受理・掲載された。論文[2]は、2つの査読付き国際会議("16th International Convention of the East Asian Economic Association"と"2019 Pacific Conference for Development Economics")で成果報告を行い、討論者・参加者から得たフィードバックを踏まえた改訂作業・査読付き国際学術雑誌への投稿を準備している。また、査読付き国際学術誌に投稿中の学術論文2編については、編集長と査読者から得たコメントを踏まえて改訂・再投稿作業を行った。
|