研究課題/領域番号 |
15K17052
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
米本 清 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (10462631)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 中核市 / 少子高齢化 / 都市システム論 / 人口移動 / 集積の経済 / 新経済地理学 |
研究実績の概要 |
1.理論モデルの拡張:前年度において、中規模都市の状況を適切に表現するには、この分野で主流とされているモデル(新経済地理学モデルなど)を単純に利用するだけでは不十分であることが明らかとなったが、分野の研究者をはじめ多くの人々にとって説得力のあるモデルを構築するには、全く独自のモデルを開発するのではなく、主流モデルを適切に拡張し、理論と現状の整合性がとれるものに発展させる必要があると分かった。本年度はこの拡張に取り組み、この分野の第一人者の方々からも一定の理解を得られるモデルを示すことができた。 2.シミュレーション:上述のモデル(多都市モデル)を用いて、与件を変化させ、さまざまなシミュレーション分析を行うことにより、中規模都市が安定的に存在し得る条件を示した。理論と整合的であると同時に、(地方都市の活性化などに関わる)政策的含意も十分に持った結果を出すことができた。 3.実証的研究:一連の研究の背景として、産業立地の都市規模に関わる異質性に注目しているが、これに関して詳細な部門・地域ごとにデータを収集し、まとめた。この結果、上述のモデル・シミュレーション結果が支持される状況を示すことができた。 4.関連研究:以上の研究を支えるものとして、研究代表者が長年続けている、耐久性を考慮した都市の住宅用地・交通用地モデルに関しても、拡張を行い、少子高齢化時に関わる複数の性質を新たに得た。また、次年度に行う予定の心理的側面を考慮した研究に関して、基本モデルの検討やデータの整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
量的・質的には二年目として相応の研究成果を得ることができた。ただし、当初計画においてはコーホート法や空間的自己相関を考慮した研究についても行う、としていたため、これらを追加して行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
上述のようにコーホート法や空間的自己相関に関わる研究を行うほか、三年目の計画に従い、心理的側面を考慮した研究を行う。また、これまでの成果をより高度な方法(学術雑誌等)で発表することに心がける。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度前半は前年度の試みを踏まえ、理論モデルの拡張・完成に力を注いだため、計算等に時間を費やし、金銭的負担がそれほど大きくならなかった。 また、(代表者の家族の)私的な事情により遠方への出張がそれほどできなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
科研費申請時にはより多くの研究経費の希望を提出していたが、決定時に満額はいただけなかった。該当使用額を加えても元々の希望額以下のため、当初計画を念頭において支出を行いたい。
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