研究課題
新たに提案したエネルギー効率指標をもとに,地域別エネルギー効率の実証分析に関する実証研究を発展昇華させた。地域経済の持続的成長を実現する原動力である人口集積がエネルギー効率に与える影響について,需要用途別の観点から定量的に評価した。さらに,節電という観点から,人口集積が電力需要の減少への潜在的な要素となりうる点も定量的に評価した。これまでのエネルギー需要や電力需要の分析では,主としてエネルギー消費原単位の動向に議論の焦点が当てられてきた。さらに人口集積の経済効果については,その生産性上昇への効果に焦点が当てられ多くの実証研究が行われてきた。それらに対し本研究課題では,確率フロンティアモデルを活用することで地域経済を対象としたエネルギー効率指標を作成することにより,各地域におけるエネルギー効率および節電ポテンシャルの評価を可能にした。それによって,エネルギー・環境効率という観点から人口集積の効果を新たに定義することができ,分析手法の発展とその応用に貢献した。特に,これまで十分に議論されてこなかった節電ポテンシャルについて,新たな分析の方向性を示したことは本研究の独自の成果である。このような分析手法の開発と応用によりエネルギー効率については需要用途間や地域間で相当程度の差異があり,人口集積がエネルギー効率の改善に重要な影響を果たすことを示すことができた。本研究課題で得られた成果は,国際的な学術ジャーナルへの論文掲載をはじめ学術図書出版を通じて広く一般に情報公開を行った。また,本研究課題で開発したエネルギー効率指標は国際地域学会(Regional Science Association International)で評価され,本年度,国際学会賞 "RSPP Annual Paper Award 2017"を受賞するに至った。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
Sustainability
巻: 10:469 ページ: 1-12
10.3390/su10020469
Regional Studies
巻: 印刷中 ページ: 1-11
10.1080/00343404.2017.1413238
Energy, Sustainability and Society
巻: 7:31 ページ: 1-10
10.1186/s13705-017-0135-y
Economics of Innovation and New Technology
巻: 印刷中 ページ: 1-17
10.1080/10438599.2017.1384110
Asia-pacific Journal of Regional Science
巻: 印刷中 ページ: 1-22
10.1007/s41685-017-0045-1
https://researchmap.jp/7000015294/