本研究課題では,確率的フロンティア分析の考え方をもとにエネルギー効率指標を開発し,地域経済のエネルギー効率の評価と経済学的な示唆について議論した。さらに,開発した指標をもとに,エネルギー効率の改善に果たす社会経済的な要因を分析することによって,地域経済の発展におけるエネルギー効率の改善が果たす役割を明確に定義した。これらの分析結果を踏まえ,低炭素社会に向けた望ましい地域政策を議論した。その結果,人口や産業の空間的な集積,地域間の交通アクセスの改善が地域経済のエネルギー効率の改善に寄与する可能性が示された。そして,生産性と電化率の改善がエネルギー効率の改善と両立することが定量的に示された。
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