研究課題/領域番号 |
15K17070
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅原 慎矢 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30711379)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 介護保険制度 / 計量経済学 / JSTAR |
研究実績の概要 |
予定通り、JSTAR機密レベルHighデータを取得した。分析視点に関しては、別プロジェクトで日本の家族構成に関する論文「同居率減少という誤解 -チャイルドレス高齢者の増加と介護問題-」(中村二朗氏との共著。季刊社会保障研究, 第51巻3,4号)を出版するなど研究を進めて明確化された。こうして得られた視点を用い、JSTARデータによって親子による同居選択や同居・介護・労働の同時選択に関する分析作業を行っている最中である。 また、以前から執筆・投稿していた下記論文については、学術誌からの要請にしたがってリバイズ稿を投稿した。まず、日本の有料老人ホーム市場に関する論文 "Firm-driven Management for Longevity Risk: Analysis of Lump-sum Forward Payments in Japanese Nursing Homes" を拡張・改訂したリバイズを行い、リバイズ稿を投稿した。改訂後の最新バージョンはオンライン論文レポジトリであるSSRN Working Paperにおいて公開している。また、沖縄国際大学金城敬太氏との共同研究である、事例ベース意思決定理論に関して実証研究への応用を行った"Predicting Empirical Patterns in Viewing Japanese TV Dramas Using Case-Based Decision Theory"についても、拡張・改訂したリバイズを行い、リバイズ稿を投稿した。改訂後の最新バージョンはオンライン論文レポジトリであるSSRN Working Paperにおいて公開している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画とは若干の異動が細部に見られるが、関連する重要課題に対して実証分析・分析手法開発を行う研究が進み、該当課題についての意味ある成果が得られている。また、リバイズ稿のオンライン公開によって、研究成果の公開も順調に進んでいる。現時点での課題としては、JSTARによる分析がまだ作業中であり、論文の完成・投稿が出来ていないことが上げられるが、この点については、別プロジェクトによる論文出版を通して課題の明確化を進めていたため、より洗練された研究を可能にするための準備を行っていたと言える。さらに、リバイズ中の論文2本にまだ出版許可が出ていないことについては課題であるが、この点は時間の問題であると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
まずは現在進行中の課題であるJSTARの分析について作業を終了し、論文投稿を行うことが本年度の目的である。研究実績概要で述べたように、分析視点に関しては課題採択時より明確化されており、日本の家族形態の変化についてはより精密な分析をおこなうことを計画している。また、リバイズ中の論文に関しては、レビュアーの都合もあるが、全力でリバイズを行って出版することが目的である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現任地初年度であり、業務予定が把握できなかったため学会参加を控え気味にしていた。また、他の研究予算で物品購入が可能であり、そちらでも多くの物品を購入した。
|
次年度使用額の使用計画 |
現任地になれた今年度は、学会参加を積極的に行う予定であり、すでに本予算での海外学会発表予定も入れてあるなど、昨年分を合わせて旅費を支出する予定である。また、昨年度から作業している論文について、本年度は完成・投稿を予定しているため、英文校正や投稿料がかかる予定である。さらに、申請時の計画通り、計算不可の高い分析を行うために本年度はより高速なコンピュータを購入するため、コンピュータ代・関連機器・ソフトウェア代を支出する予定である。
|