研究課題
最終年度に実施した研究の成果:前年度に引き続き介護産業における労働需給と規制、とりわけ介護報酬の改定との関係の分析を行い、結果をまとめた論文が国際査読誌Journal of the Japanese and International Economiesに掲載された。主な結果は、介護報酬の改定は必ずしも介護労働者の賃金や雇用に直接的な影響を及ぼさないこと、所定内給与は介護報酬の改定に反応しないもののボーナスは介護報酬の改定から1年の遅れをもって反応するということ、1年のラグを持ってボーナスは増えるもののそれが雇用の増加には結びついていないこと、の3点である。研究期間全体を通じて実施した研究の成果①東日本大震災による需要ショックが引き起こした労働移動の分析:東日本大震災によるサプライチェーンの寸断が被災地以外の地域でもたらした影響を検証し、サプライチェーンの寸断は短期的に労働移動を増やしたものの、長期的には影響を受けた労働者の就業確率や雇用形態に影響しない可能性が高い結果を得、国際査読誌Japan and the World Economyにて公表した。②高齢者雇用促進政策が若年層に与えた影響の分析:高齢者雇用促進政策はかならずしも若年層の雇用をダイレクトに減らすものではないという結果を得、国際査読誌IZA Journal of Labor Policyにて公表した。また高年齢者雇用安定法の改正が60歳代の雇用を特に大企業において増加させたという論文を国際査読誌Industrial and Labor Relations Reviewにて公表した。③介護と労働についての研究:上記の今年度の成果の他、介護施設の供給が中高年の労働供給に与える影響を検証し、統計的に有意な影響がないという結果を国際査読誌Asian Economic Policy Reviewにて公表した。
すべて 2019 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
Journal of the Japanese and International Economies
巻: 53 ページ: 101034~101034
10.1016/j.jjie.2019.101034
Journal of Urban Economics
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Economic Inquiry
巻: 58 ページ: 283~293
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https://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/mystaff/akondo.html