本研究では以下の3つの課題を扱った。第1に「非正規雇用に関する企業の利用目的」、第2に「非正規及び正規雇用者の努力選択」、第3に「非正規雇用者に対する訓練の提供」である。第1の課題では、より多くの企業に振るい分け目的で非正規雇用を利用するよう促す雇用政策を、数値計算を通じて明らかにした。第2の課題では、正規雇用に対する解雇規制が強い程、正規雇用者の労働インセンティブを損ない、さらにスクリーニングの効率性を下げることで労働生産性を低下させることを理論的に示した。第3の課題では、正規雇用に対する解雇規制を緩和することで、より多くの非正規雇用者が訓練を受けられるようになることを理論的に明らかにした。
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