債券と株式のリスクプレミアムの同時推定は、市場環境を反映した価格モデルにより行うことが望ましい。しかし、先行研究のモデルでは、名目金利や配当利回りの非負性が保証されないなど、2008年に発生した金融危機以降の低金利環境を捉えることができない。本研究では、無裁定価格理論の枠組みの下、名目金利や配当利回りの非負性が保証され、価格ボラティリティが変動する、低金利環境を捉える債券と株式の同時価格付けモデルの構築を行った。さらに、米国の株式指数、国債金利のデータを用いて同モデルの推定を行い、債券や株式のリスクプレミアムの変動について解釈・考察を加えた。
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