本研究のテーマは近代中国の品質マネジメントシステムと制度設計に関する実証研究である。本研究では、19世紀から20世紀初頭の近代中国市場における品質をチェックする仕組みの制度化について検討した。19世紀末に中国市場では中国商人と外国商人との間の輸出品取引において商品の品質を粗悪化する品質問題が発生した。そこで、その品質問題が発生した要因、品質問題が解決した要因について分析した。特に、商品取引におけるフォーマルな制度とインフォーマルな制度との関係に注目した。本研究の分析を通じて、近代中国の品質をチェックする仕組みの制度化を実証的に示し、近代中国の経済成長の制度的要因を明らかにした。
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