本研究の目的は、企業の担当者と外部の専門家(各領域の研究者等)から構成される製品開発チームが、いかなる組織的問題に直面し、その問題がイノベーションの成果やプロセスに対してどのような影響を与えうるのかを検討することであった。こうした目的の本研究の成果は大きく二つある。一つは、チームとして活動を進める上で認知枠組みの違いやパワーの不均衡がとりわけ問題となることであり、もう一つは、それらの障壁を乗り越えられるか否かは、専門家自身の役割アイデンティティや製品開発活動に関する経験、当該活動を支援する社会関係資本といった要因に影響を受けることであった。
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