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本研究の目的は、多国籍企業の本社及び新興国に立地する海外子会社を研究対象とし、多国籍かつ多文化的背景を持つ人材を活用するためのグローバルタレントマネジメントについて理論的及び実証的研究を行い、そのモデル及び理論を構築することにある。
平成27年度は、理論的フレームワークの構築を目的にグローバルタレントマネジメントに関連する文献レビューを中心に行った。平成27年度及び28年度は、多国籍企業本社及び、海外子会社、特に欧州地域の新興国に立地する日系企業を対象に定性的調査を実施した。欧州地域に焦点を当てたのは、アジア地域の新興国に立地する日系企業の研究蓄積はある程度あるものの、欧州地域の新興国を対象とする研究がほとんどなされていない現状にあるためである。その結果、ヨーロッパ地域の新興国に立地している日系企業に従事するタレントのマネジメントは、日本本社が設計したタレントマネジメントプラクティスが移転され、現地で実施されているケースが多く見られるが、それと同時に、ヨーロッパに立地する地域統括本社がタレントマネジメントプラクティスを開発、設計し現地子会社に移転していたり、欧州各国のタレントを選抜し、本社のタレントプールに入れる等、重要な役割を果たしていることが分かった。この点は先行研究で看過されてきた点であり、本研究の大きな貢献点の1つである。
最終年度である平成29年度には、理論的考察及び定性的調査を通じて得られた結果を踏まえて、定量調査を実施した。現在その分析及び成果創出に取り組んでいる。
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