研究実績の概要 |
本研究は、公共システム-産業システム-市場システム間の相互依存性を再現する新たな研究開発プロジェクト評価手法を提案した。公共システムでは、政府による研究開発予算の支出、及び研究開発機関における研究開発計画とそれを実現する民間企業への開発補助をモデル化した。産業システムでは、研究開発の成果を基盤として創出された産業活動を供給業者、製造業者、サービス業者に分割してモデル化した。さらに、市場システムでは、サービス業者から提供される顧客サービスの採用過程に加え、産業によって生み出される雇用をモデル化した。これにより、産業から生み出される税収、及び労働者から生み出される税収が、政府に対して還元されるフィードバック構造を再現することに成功した。 平成29年度は、前年度までの将来航空システムの評価モデル構築に関する研究成果を論文に纏め、The 31st International Symposium on Space Technology and Science(ISTS)において発表を行った。さらに、航空宇宙分野でのモデル構築実績をベースにヘルスケア分野へのモデル応用化研究を実施した。本研究が提案する統合評価モデルを援用することで、医療費・保険費等を含めた社会システム全体を対象に、政府-産業-市場の相互依存関係を長期間にわたって評価可能であることを示した。この研究成果は、国際システムダイナミクス学会(ISD2017)及びInternational Conference of Business and Information (ICBI2017)において発表した他、International Journal of Japanese Association of Management System (IJAMS), Vol. 9, Issue 1に査読付論文として採録されている。
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