本研究はアジア新興国の地場系自動車企業の製品開発活動に対する観察を通じて、2000年代以降新たに台頭するアジア新興国の地場系自動車市場の成長過程およびその特徴を把握するものであり、とりわけ、事業環境変化への対応、経営資源のマネジメント、更に両者の結合による競争優位性の創出メカニズムが成長のカギと認識し、中国とインドの事例を用いて上記仮説を具体的に検証するために、自動車産業を事例に、中国とインドの地場企業の事例研究を行ってきた。最終年度に際して「企業内部の能力構築過程のボトルネックの所在と競争優位創出との因果関係」を最終成果をまとめるために、以下の活動を行ってきた。 【理論枠組の完成】について、これまでの3年間の調査成果を踏まえ、最新情報を継続的に収集するために、2018年5月と8月に仮説の最終的擦りあわせのための企業調査を重点的に実施したのである。 【調査記録の作成と解析】について、継続的に記録の作成と解析を行い、研究論文の作成に着手した。 【研究会・学会参加】では、仮設検証のために、一部の研究成果を2018年9月のアジア経営学会の全国大会にて報告し、成果発信を兼ねて検証を行った。 【成果発信】について、研究成果を『新興国企業の成長戦略―中国自動車産業が語る“持たざる者”の強み―』晃洋書房、2019年7月(単著、出版)にて公開する予定である。
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