研究課題/領域番号 |
15K17138
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
カン ビョンウ 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター 技術革新・成長研究グループ, 研究員 (70735365)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 起業政策 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究を進めるため必要な知識を身に着けることに専念した。まず、フィンランドの起業活動に関する先行研究・資料のレビューを行った。フィンランドの起業活動は2010年前までにヨーロッパで最も低い水準であったが、2010年以降急激に伸びたことを先行研究・資料が裏付けていた。次に、フィンランド固有のビジネス環境・文化について調べ理解を深めた。フィンランドは過去40年で、農業社会から工業社会へ、また工業社会から情報社会へと急速な変化を経験していることが分かった。最後に、定性的研究に必要なフィールド・ワークの技法について調べた。インタビュー調査の方法、定性分析方法、定性的研究論文の仕上げ方などについて分かった。 上記の活動を通じ、効率よく研究を進めるための準備ができた。まず、本研究を実施するために必要な知見を得ることができた。現在フィンランドで行われている活発的な起業活動は脱工業社会から情報社会に移る過渡期の現象ととらえる必要があることが分かった。したがって、すべての起業活動を模範にするには問題があり、マクロデータを使用する際、また調査対象を選定する際には注意が必要であることが分かった。また、先行研究・資料のレビューを通じ、現地調査で実施する調査項目を具体化できただけでなく、本研究に知見をもたらしてくれる研究者を探すことができた。すでに何名かにはコンタクトを取っており、本研究に対する助言を頂いただいた。さらに、本研究の分析対象として適切なインタビュー対象候補者(企業家)を複数名紹介された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで、予期していないことが起こらず、当初の計画通りに進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
これからは本格的に調査活動に取り組む。現地に足を運び、インタビュー調査及び統計資料調査を実施する。ただし、分析方法は現段階では決定せず、調査を進めながら決定する。理由は、統計資料調査には問題(第3者アクセス・利用可能有無、言語の問題、等)が生じる可能性があるためである。引き続き研究計画に沿って研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当所計画していた研究機材を購入しなかったためである。 機材の購入ができなかったのは、初年度の計画にない現地調査を実施したため、当時の残高では、希望していた研究機材を購入するには不十分であったからである。
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次年度使用額の使用計画 |
まずは、計画通り、希望していた研究機材の購入を考えている。 一方で、現地調査に必要な旅費として使用することも考慮している。理由は、現地調査を長期滞在・集中的に行うのが難しくなり、短期滞在・分散帝に行う必要が生じたからである。
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